【Q&A】夢はバレリーナ…それでも鏡を見るたびに自分のことが嫌いになります
Q. 私はバレエを習っています。
バレエのあの美しい曲線美と、言葉がない故に体全体で感情を表現する部分が特に好きです。
そして私にはひそかにバレリーナになりたいという夢があります。(親にも打ち明けていない内緒の夢です)
ですが、バレエ界はとても狭き門で、ブランクがかなりあり骨格も体型も向いていない、ましてやコンクールに出ることすら出来ない程下手な私は叶えることは不可能だと思い、それを考えるたびにとても悲しくなります。
バレエは私にとって大切なものの1つでこれからも続けていきたいです。けれどバレエをするたび、鏡を見るたびに胸が苦しくなって自分のことが嫌いになります。
楽しくバレエができるようになるにはどのように考えればいいですか?
(mimiさんよりご相談いただきました)
A. どうか、バレエ愛を超えた自分愛を!夢の「エッセンス」を叶える方法は一つではないかも?夢と現状、どちらへも「等しい愛」を持てたとき、エフォートレスな道が見えてくるはず。
ご質問ありがとうございます。
夢はバレリーナ……素敵です。。。わたしも子供のころ、楽しく習っていました。
mimiさんのようにプロを目指す段階になると、「ただの好き」ではいられない感情が出てきますよね。きっと「好きなことを職業にする」というテーマを持つ多くの方が、同じような壁にぶつかっていることでしょう。
「好きなことを仕事にしようとすると楽しめなくなる問題」への一助となれば幸いです。
■ 大好きなものを自分より「上」に置かない
はじめに質問です。
mimiさんにとって、「バレエ」と「自分」どちらのほうがより大切ですか?
バレリーナになるという夢を、ご自分への愛より「上」に格付けしていませんか?
そもそも「夢」とは、達成への憧れから始まるものですから、どこか遠くの手の届かない「上」のほうにあるという「ギャップ」のイメージを持ってしまうものです。
夢を叶えるために、そのギャップをコツコツと埋めていくことになるわけですが、それは「自分の(スキルや精神性を含めた)成熟度を高めるための努力」です。プロになる以上、ここは冷静な目で自己観察をしつつ、いまできること・必要なことを一歩一歩積み重ねるしかありません。
「自分の成熟度」については厳しく見極めつつ、一方では、夢に向かってひたむきに生きている「自分への愛」は温かく保っておかなくてはなりません。その愛は、どんな日も自分を認めて支え、壁を乗り越えていく活力となってくれるからです。
mimiさんが将来も楽しくバレエと関わっていくためには、バレエのスキルを上げることよりも、ご自分への愛を取り戻すことが先決です。
>ブランクがかなりあり骨格も体型も向いていない
>バレエをするたび、鏡を見るたびに胸が苦しくなって自分のことが嫌いになります
確かに、簡単に「きっとバレリーナになれるよね!」とは言えない世界であることはわかります。
しかし、「自分への愛」を見失わなかった人だけが辿り着ける「至福の場所」があると思うのです。
バレエに出会い、バレエの魅力を深く知ることができた、一般的な常識と心で追いかける夢との落差に苦しみながらも純粋にバレエを想いつづけている、、そんなmimiさんは本当に素晴らしいのです!
これからもっと素敵なバレリーナへ成長するためにも、「愛という自己投資」を惜しまないでください。
「バレエが大好き。この人生にバレエを迎え入れて、バレエを愛せている自分のことはさらに大好き!」そう思ってみることは難しくないはずです。(だって真実ですから)
練習用のレオタードやトウシューズ(バレエにまつわるものってどうしてあんなに可愛いのでしょうね♡)なども、mimiさんが気分の上がる素敵なものを用意してあげましょう。
舞台が難しければ映像でもいいので、崇高なバレエ作品に触れる時間をご自分にプレゼントするのもいいですね。
たまには、バレエのために我慢していることを思い切りすることも、「自分への愛」の一環かと思います。
何より、「わたしの身体で表現するバレエはスペシャル!」という自信を持ってほしいです。「下手で向いてないのに自信なんて持てない」のはわかりますが、プロのバレリーナにとって「自分のバレエが人に与える何かを信じていること」は重要な資質と言えるのではないでしょうか。
「完璧ではないけれど、昔よりだいぶ素敵に踊れるようになったかな」と思うくらいでも充分ですので、とにかく、バレエと関わるご自分をできるだけ肯定的に受け止めてあげましょう。
mimiさんとバレエは、いつだって対等です。
■ 望むのは「完璧に思い通りの展開」or「思いもよらない奇跡」?
mimiさんの願いを叶えるための選択肢は、「コンクールを突破し、プロのバレリーナになる」しかないのでしょうか?
>バレエのあの美しい曲線美と、言葉がない故に体全体で感情を表現する部分が特に好きです
この一文には、mimiさんがどうしてバレエに惹かれるのか、夢の「エッセンス」がはっきりとまとめられていて素晴らしいです!
その「エッセンス」を追究し、表現し、その素晴らしさを毎日感じながら収入を得る「手段」としては、プロのバレリーナになること以外にもあるような気がします。
わたしのコーチングクライアントに、有名なバレエ団でプロのバレリーナを務めた方がいらしたのですが、彼女はその身体能力と個性を活かして「オリジナルのボディーワークを世に広める」という次のステージに向かわれました。
また、曲線美や言葉のない感情表現を扱う分野として、絵画や音楽、バレエ以外のダンスなど、さまざまな芸術があります。コレオグラフィー、衣装デザイン、舞台演出なども、バレエの素晴らしさの一端を担う専門分野ですよね。
さらに、何かをある程度極めた人に与えられる特権として、それを「教える仕事」があります。バレエレッスンを教える以外にも、バレエの魅力について講義や講演で一般の方に伝える、バレエ雑誌などのメディアで文章にして伝える、そういった形もあるかと思います。
「プロのバレリーナ以外のことをするなんて単なる諦め・妥協じゃないか」と思われるかもしれませんが、想像力を最大限に広げて、自分の夢に厚みと深みを持たせていくのも楽しいものです。
俳優の玉木宏はもともとミュージシャン志望、歌手の広瀬香美はずっと作曲家志望だったそうです。本人からすると「完璧に思い通り」ではなかったでしょうが、「思いもよらなかった奇跡的展開」が起きているのがわかります。夢を目指す途中で、こだわりすぎずに流れに身を任せてみると、ふとしたことからさらなる天職に出会うこともあります。
白か黒か(プロのバレリーナになれるか、なれないか)を超えた、mimiさんの人生だからこそ実現できる「オリジナルの第三の道」が待っているかもしれません。バレリーナを諦める必要はありませんが、さらなる可能性へも心を開いておくことをおすすめします。
■ 楽しめなくても大丈夫ということにしよう
>楽しくバレエができるようになるにはどのように考えればいいですか?
こちらへの答えとしては、「楽しまなくてもいいと思ってみる」はいかがでしょう。
最初にお伝えした「自分への愛」を持っておくことは大前提ですが、「苦しいままでいい、無理に楽しまなくていい」と思ってみるのです。(すると不思議なことに、たちまち楽しさが戻ってきたりします^^)
美しさも苦しさも、大きな振り幅で感じ入ってしまう。人生で、それほどまでに魅力的なものに出会ったmimiさんは幸せな人です。
「好きなことを仕事にする」というテーマを持つすべての人にとって、毎日は「苦しくて、楽しいもの」だと思います。わたしもいまだに、苦しくも楽しい日々を送っています。そんな道を選んだ自分には感謝しかありません。
これからのmimiさんにとって「愛するご自分と、愛するバレエ(のエッセンス)と歩む日々」が味わい深いものになりますように!
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